■萩原先生の栽培ポイント
<ビニール被覆後の管理>
3.章姫の収穫中の休み現象を軽減する
章姫は太根が多く発根し、根張りもよく、いわば連続出蕾型の品種といえる。
だが栽培条件や管理によって、収穫の中だるみ、いわゆる収穫の中休み現象がひどく見られるものがある。
収穫の中休み現象を大別すると、
@ 頂花房と第1次腋花房との収獲間隔が開く場合
A 頂花房と第1次腋花房は連続収獲できるが、その後第2次腋花房又は第3次腋花房との収獲間隔があく場合
とがある。
@ の場合は、夜冷育苗などで頂花房の分化発育が早く促進され、 第1次腋花房の分化が遅れた場合に生じるが、この事例は章姫では極めて少ない。
A の場合は、その軽重の差はあるが最も一般的に見られる現象である。夫々の花ごとに花芽分化は連続的に行われているが、光合成産物の吸引と供給の差によって、2次腋花房又は3次腋花房への供給不足により生じることが大きな要因とみられている。
つまり花芽分化は夫々の花房とともに、通常の時期に行われているが、その後の発育がいわば足踏み状態に置かれているものとみてよい。
収獲の中休み現象がなぜ生じるかという要因には、いくつかの条件があげられているが、なかでも最も大きいとみられているのは、光合成産物の吸引にかかわる花房間の競合と供給量の差によることが大きいとみられている。
つまり先発花房の開花、結実期における光合成量の不足と、頂花房の出蕾、開花期までにねに蓄えられた光合成産物量が少なく、高次腋花房への再転流する量の不足などによるとみられる。
萩原 貞夫
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